1. Never Again 2. Nothing's Forever 3. Heroine 4. SleepingGiant/No Way Back/reprise 5. Alibis 6. I Will Remember You 7. Shadow of a Doubt 8. Parallel Worlds/Vortex/Deya 9. Wish I'd Known All Along 10. Orchard of Mines 11. Over and Over 12. An Extraordinary Life 13. I Will Remember You (acoustic remix)
冒頭の「Never Again」。いきなりハードながら深みのあるギター・リフから、GoやOpen Your Eyesを思わせるようなダウンズの華のあるキーボードに支えられた、ウェットンの美声、そして、これぞエイジア!!と言いたくなるような、厚みのある美しいコーラスで歌われる「Never Again」というサビ。そして、「アイコン」と決定的に違う、世界中でスティーブ・ハウにしか出来ない、どこかスパニッシュな雰囲気の漂う美しいギター。
3曲目の「Heroine」は、エイジアのアルバム「ALPHA」収録の「The smile has left your eyes」や、ウェットンのソロ作「ARKANGEL」収録の「AFTER ALL」を思わせるような、壮大で美しいバラードです。しかし、「Heroine」は暖かみと深みにおいて、過去のバラードを大きく凌いでいます。珠玉のメロディ・メイカーであるウェットン・ダウンズの本領が最大限発揮された、名バラードです。これほどのバラードを作り表現できるバンド、他にあるでしょうか??
4曲目の「SleepingGiant/No Way Back/reprise」は、なんと8分11秒にもおよぶ大曲です。エイジアがこれまで敢えて近づこうとしなかった、プログレッシブ・ロックの香りが漂います。YES、U.K.、ELP(クリムゾンの香りはあまりしませんが。。)。。それでも、聞き手を無視するかのようなインストルメンタル・バトルにならず、哀愁と深みのあるボーカル・メロディを中心に、最初に提示した主題を展開させきっちりと曲を構成するあたり、エイジアの心意気を感じます。
6曲目の「I Will Remember You」は、ウェットンの美声が最高に映える珠玉のバラード。ハウのギターとダウンズのキーボードによるサポートも素晴らしい。「Heroine」とはまた違うタイプで、どこか神聖さも漂う癒しに満ちたバラードになっています。こんな曲を作ってくれるなんて、エイジアがリユニオンしてくれて本当によかった。そう思える名曲です。
7曲目の「Shadow of a Doubt」は、明るく希望に満ちた曲調から、どこか「Don't Cry」を思わせます。ダウンズのキーボードが派手ですが、ダサくなる一歩手前で踏みとどまっています(笑)。
1. Die Is Cast 2. Finger on the Trigger 3. Reflections (Of My Life) 4. To Catch a Thief 5. Tears of Joy 6. Shannon 7. Hanging Tree 8. Glory of Winning 9. Whirlpool 10. Rubicon ボーナストラック(ザ・ハーバー・ウォール)がついていますが、例によってスルー(笑)。
Rubiconとは、ルビコン川に由来します。古代ローマでは、軍団がローマに近づく際、ルビコン川を武装したまま渡ることは、共和国法により禁じられていました。すなわち、武装したままルビコン川を渡ることは、ローマ共和国への反乱と見なされたのです。紀元前49年、ガリア戦争に出ていたジュリアス・シーザーは、ローマ本国へ召還されます。本国で起こった政変が原因だったのですが、シーザーはローマにいる対立勢力との対決を決断、ルビコン川を武装したまま渡り、ローマへ攻め込みます。有名な「犀は投げられた(The Die is Cast)」は、シーザーがルビコン川を渡るときに言った台詞です。
アルバム自体は、前作にくらべさらにダウンズの関与が強まり、よりエイジアの香りが強まっています。オープニングを飾るDie Is Castは、まさに「犀は投げられた」という曲。エイジアのエッセンスを凝縮させたような劇的な曲展開、印象的なメロディを持つ、強力なキラー・チューンです。Finger on the Triggerはダウンズのセンスが全開の明るいロック・ナンバー。Reflections (Of My Life)は、人生の回顧がテーマの、しっとりとした曲。To Catch a Thiefは、オランダのロックバンド、GATHERINGのアネック・ファン・ガースバーゲンとウェットンのデュエット曲。劇的で壮大なバラードです。ふと、谷村新司と小川知子のデュエットソング「忘れていいの」を一瞬思い出しますが、エイジア・テイストが横溢するTo Catch a Thiefは壮大さと美しさで遙かに上回っています。Tears of Joyは落ち着いたミディアムテンポの曲。Shannonは、バイオリンとウェットンの声の軽快なコラボが印象的。Hanging Treeは少々暗めな、なにか見えない恐怖のようなものを暗示している?不思議な曲。Glory of Winningは、これまたエイジア・テイストに溢れる壮大な曲。Whirlpoolもまた、エイジア風のイントロで始まり、ダウンズのセンスが前面に出た劇的なアレンジが施された曲。Rubiconはこのアルバムの〆らしく、壮大で劇的、静と動の対比が印象的な曲。
名作中の名作、「Rock of Faith」と、その後の転落。しかし、Rock of Faithは、ジェフリー・ダウンズとウェットンとの絆を再び確固たるものとするきっかけになりました。エイジア時代に数々の名曲を生み出した、ウェットン・ダウンズのユニットが再び始動します。そうして2005年にリリースされたのが、ウェットン・ダウンズのプロジェクト「ICON」のファースト・アルバムである、「ICON」です。
1. Overture: Paradoxx ~ Let Me Go 2. God Walk With Us 3. I Stand Alone 4. Meet Me At Midnight 5. Hey Josephine 6. Far Away 7. Please Change You Mind 8. Sleep Angel 9. Spread Your Wings 10. In The End ボーナストラックとして。。。 11. Heat Of The Moment (2005)
このアルバム、Rock of Faithにダウンズの関与がより強まり、エイジアのテイストが増した、とでも表現すればよいでしょうか?? Overture: Paradoxx ~ Let Me Goは、暗く思いイントロに始まり、ウェットンの悲壮感漂うボーカルとダウンズの分厚いキーボード・アレンジが印象的な劇的な曲、God Walk With Usはフルート(イアン・マクドナルド)のイントロに始まり、やはり劇的な曲展開に圧倒されます。I Stand Aloneは、パイプ・オルガン風のイントロに始まり、ミドルテンポでウェットンの心の葛藤が歌われている?重い曲。Meet Me At Midnightはウェットンのボーカルとアコースティックギターを中心にした、美しいボーカル曲。Hey Josephineは、Meet Me At Midnightのようなアコギのイントロに始まる~と思ったら、突然パワー・バラードへ。エイジアの曲と言っても全く違和感ない、大袈裟なアレンジと美しいメロディの明るい曲(笑)、Far AwayとPlease Change You Mind、Sleep Angelはいずれもミディアムテンポの落ち着いた曲。人によっては眠くなるかも。。ややだれた印象を受けます。Spread Your Wingsはウェットンのボーカルの美しさと伸びやかなギター・チェロで癒やされます。そして、最後を飾るIn The Endは、ルネッサンスに居たアニー・ハスラムとウェットンのデュエット曲。落ち着いた癒しに満ちたウェットンの声に続き、ハスラムの感動的なボーカル。イアン・マクドナルドのフルートが花を添えます。落ち着いた、美しいバラードです。 ボートラのHeat Of The Moment (2005)は、一瞬どこをリメイクしたのかわからないです(笑)。ウェットン・ダウンズのリユニオンを祝うご祝儀ソングという感じでしょうか???
1. Mondrago 2. Rock Of Faith 3. A New Day 4. I've Come To Take You Home 5. Who Will Light A Chandle? 6. Nothing's Gonna Stand In Our Way 7. Altro Mondo 8. I Believe In You 9. Take Me To The Waterline 10. I Lay Down 11. When You Were Young
そしてボーナストラックとして。。。 12. Cold Comfort 13. God Only Knows (live)
1990年代後半のボロボロのウェットンの状況から、ファンは期待と不安の間を揺れながら新作を心待ちにしていましたが、結果はいい方に裏切られました。完成した「Rock of Faith」は、ウェットンの30年以上に達するキャリアの中でも屈指の、素晴らしいアルバムになったのです。なによりも、彼の最大の魅力である声がほぼ完全に復活。
シンセの音をバックに、ギターが悲しげかつ壮大な旋律を歌い上げるMondrago、どこか幻想的なウェットンの歌声に圧倒されるRock Of Faith、ウェットンの声の復活、特に色気に満ちたよく響く甘い中~高音域が実感できるA New Day、ジェフリー・ダウンズとの共作で、ピアノとチェロ、そしてウェットンのボーカルが感動的なバラードであるI've Come To Take You Home、どこかARKANGELを思わせながらも、切々と歌い上げる哀愁に満ちたウェットンの声に圧倒されるWho Will Light A Chandle?、Voice Mailの頃のウェットンを思わせるパワー・ナンバーであるNothing's Gonna Stand In Our Way。 そして、CDでありながら、このアルバムは、A面・B面に分かれているような感じを受けます。B面の最初を飾るのは、静かな雪の夜に古い教会の鐘が鳴り響いているような、神聖な錯覚にとらわれるAltro Mondo、Altro Mondoを受けて静かに始まりながらも、途中からギター・サックスの激しい応酬へと移り、フルート・オーケストラ風のアレンジとウェットンの美声が感動的なバラードと、静と動のコントラストが劇的なI Believe In You、明るく愛を歌い上げるTake Me To The Waterline、そして、ウェットンがエイジア時代に共に仕事をしたマイク・ストーンへの鎮魂歌だというI Lay Down。悲しみをヒステリックに歌い上げるレクイエムでも、ひたすら悲しみを歌い上げ悲嘆にくれるというのでもなく、今は亡き人の思い出を静かに目をつぶり、心静かに振り返っている、という感覚。そして、B面の最後は、I Believe In Youを受けて、ウェットンとコーラスが静かにアカペラで歌い上げる、まさに賛美歌のような美しさと神聖さに満ちたWhen You Were Young。 ボーナストラックが2曲ありますが、スルーでいいでしょう。アルバム全体に流れるコンセプト・統一感が崩れてしまいます。
ウェットンは、「Voice mail」リリース後、精力的に各国を回りライブ活動を続けます。この時期のライブは、いくつかのブートの他、正規版「Akustika Live In Amerika」でその様子を知ることができます。「Akustika Live In Amerika」は、ウェットンには珍しいアコースティック・ライブですが、うるさく鳴るギターや他の楽器の音にジャマされず ウェットンの美声を楽しめる、隠れた名盤です。入手困難ですが、見かけたらぜひゲットしましょう。
また、ジェネシスのオリジナルメンバーであるギタリスト、スティーブ・ハケットとの活動も、この時期に展開されます。音源として残っている「Genesis Revisited / 新約創世記」(1996年リリース)、「The Tokyo Tapes / 東京テープ」(1997年リリース)では、ジェネシスの名曲だけでなく、自分の過去の曲、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」などの名曲を歌いあげるウェットンの美声に触れることができます。ただ、東京でのライブ映像に見える、太り始めたウェットンの姿。。一抹の不安がよぎります。。
1. The Circle of St.Giles 2. The Last Thing On My Mind 3. Desperate Times 4. I Can't Lie Anymore 5. Arkangel 6. You Against The World 7. Be Careful What You Wish For 8. Emma 9. Nothing Happens For Nothing 10. All Grown Up 11. After All 12. The Celtic Cross 13. Take These Tears
しかし、悪夢はこの頃からウェットンに忍び寄ります。私生活でのトラブルや、(それ故の?)酒浸りな生活が、ウェットンの体調、そして最大の武器であるはずの「声」に悪影響を及ぼし始めるのです。 ライブであからさまに声が出ない、歌詞を忘れる、ライブ前夜の深酒で体調ボロボロ。。。そして、経済的な困難のためか、次から次へと乱発される粗悪なライブアルバム達。私もこの時期のライブアルバムは全部所有していますが、敢えて紹介しません。私にエイジアを教えてくれた人は、この時期は、「浄財」「お賽銭」「ウェットンの生活費寄付」のつもりでアルバムを買っていたそうです。。。1990年代後半のライブアルバム群の中で、辛うじてイイと思えるのは、「NOMANSLAND」くらいです。。。 1999年になると、エイジアの再結集(不調に終わる)、カール・パーマーとのユニット「Qango」などの動きがありますが、正直パッとしません。QANGOのライブ・アルバム「LIVE IN THE HOOD」も、コレクター向き。万人に勧める気にはちょっとなれません。。
そんな中、2000年12月にリリースされたソロアルバムが「WELCOME TO HEAVEN」です。
1. Heart of Darkness 2. Say it Ain't So 3. No Ordinary Miracle 4. Where Do We Go from Here 5. E-Scape 6. Another Twist of the Knife 7. Silently 8. Before Your Eyes 9. Second Best 10. Real World 11. Love Is 12. Space and Time(Live)
ロバート・フリップの他に、イアン・マクドナルドもゲスト参加、さらに元ビートルズのリンゴ・スターまでが共同作曲者として加わるなど、相変わらず豪華なメンバーが参加しています。曲調は、Heart of Darknessが暗めの壮大な曲調なのを除けば、どこか明るく、かといって明るくなりきることもできない、でもやはりさすがウェットン。良質のポップアルバムに仕上がっています。声も、全盛期ほどとは言えませんが、だいぶ回復しているようです。
1. Right Where I Wanted To Be 2. Battle Lines 3. Jane 4. Crime Of Passion 5. Sand In My Hand 6. Sea Of Mercy 7. Hold Me Now 8. Space And Time 9. Walking On Air 10. You're Not The Only One
Right Where I Wanted To Beは伸びやかで希望溢れる明るいメロディとウェットンの声の相性が絶妙、Battle Linesはウェットンのライブでほぼ必ず演奏される、劇的なバラード。Janeはアメリカ的な明るいラブソング。他にも、Crime Of Passion、Sea Of Mercy、Hold Me Now、Space And Timeと素晴らしいボーカルメロディに魅了される曲が続きます。Walking On Airではロバート・フリップのギターとウェットンの声が織りなす壮大な展開が心を鷲づかみにします。そして、最後のYou're Not The Only Oneは、これまたウェットンのライブでは欠かせない、明るく、高らかに愛を歌い上げる、ウェットンの魅力の全てが凝縮されたような素晴らしい曲です。そして、これがまさにウェットンの本当にやりたかった音楽。 音楽評論家の市川哲史氏が、「永遠の(夢見る)ポップおじさん」と彼のことを評していますが、まさにその通り、と私も思います。 彼に作らせるなら、ゴリゴリのプログレッシブ・ロックではなく、美しいボーカルメロディで攻める極上のポップアルバム!それを証明したような作品です。
このアルバムは、その後「Battle Lines」と名前を変え、日本や世界各国でリリースされます。「Voice Mail(Battle Lines)」は、ウェットンのソロ作の中では、Rock of Faithとならぶ、名作中の名作でしょう。邦楽・洋楽問わず、私の中では10指に入る素晴らしい作品。ウェットンを知りたければ、まずこれを聴け!と、声を大にして言いたいです。
ASTRAでエイジアが失速した1980年代後半、ウェットンはまるで内職の如く、セッションやプロジェクトをこなしますが、そのどれもが大きな成功には至りませんでした。。 そして、1989年8月、ウェットンとパーマーのプロジェクトとして、エイジアが復活します。この時のエイジアには、ダウンズは他のプロジェクトで忙しく参加していませんが、ウェットンの90年代のソロ活動のよきサポート役となるジョン・ヤングが参加していること、そして、エイジアのキャリアの中でも異色の、2名の女声コーラス(スージー・ウェブ、ゾー・ニコラス))が参加しています。彼らのプレイは、6枚組のブートレッグである「The Circle of Treasures」で聴くことが出来ます。後にモスクワ・ライブのCDで世に出ることとなる名曲「Kari-Anne」。このブートでは、モスクワライブのようなフェードインするギター・キーボードではなく、ウェットンと女声コーラスによるアカペラで始まります。ゾクゾクするような妖艶さと緊張感があり、一聴の価値アリです。 このブート、限定生産のため現在では手に入れるのは極めて困難なのですが、東京で中古レコード屋を丹念に回れば、稀に見つかることがあります(北海道ではどだい無理な話なので、私はヤフオク。。ラッキー♪)。もう少し音のイイ正規版が出てくれるといいのですが。。。
1990年の6月から、エイジアはヨーロッパ・ツアーを始めます。そんな中で発表されたベスト盤+未発表曲集がこれ、「Then and Now」です。
1. Only Time Will Tell 2. Heat Of The Moment 3. Wildest Dreams 4. Don't Cry 5. The Smile Has Left Your Eyes 6. Days Like These 7. Prayin' 4 A Miracle 8. Am I In Love? 9. Summer (Can't Last Too Long) 10.Voice Of America
1~5と10がベスト集、6~9が未発表曲です。Days Like TheseはTOTOのスティーブ・ルカサーが参加!明るく希望に満ちたメロディと、ルカサーのギターの巧さが光っています。Prayin' 4 A Miracleは、ギターとしてロン・コミーが参加。やや暗く湿ったメロディと美しいボーカル・ハーモニーを持った曲。そして、Am I in Loveはマンディ・メイヤー在籍時(ASTRAの収録時?)に録音された曲。ウェットンの甘く美しいボーカルと劇的な展開が印象的な名曲です。個人的にはエイジアの作った最も美しいバラードだと思います。Summerは、THIN LIZZYに居たスコット・ゴーハムがギターで参加しています。古本屋で見つけた当時のBurrn誌で、S氏が「Then and Now」をレビューし、いいだけ落としておいて、Summerでのスコットのギターだけをなぜか評価していています。当時のエイジアやロックバンドの置かれた立場がよくわかる、なんとも微妙なエピソードです。。
エイジアはその後、1990年9月~10月上旬、日本ツアーを敢行します。この時のエイジアの音源は、ブートを元にした正規版として多くのライブ版がリリースされています。そこで聴ける音は、80年代初頭のエイジアとは違う、ヘビィででスピード感があり、パワフルなエイジアです。そう、メタリックなエイジア。その様子は、ライブアルバム「DRAGON ATTACK」で聴くことが出来ます。Wildest Dreamsに始まり、エイジア・クリムゾン・バグルスの名曲を交えつつ、劇的なOpen Your Eyesで幕を閉じる。そこには、産業ロックという揶揄などものともしない、凡百のロックバンドなぞ軽くK.O.してしまうロックバンド「エイジア」の姿があります。ブート起こしなので音質的には限界があるものの、この時期のエイジアの姿を良く写している、名盤です。「LIVE IN HYOGO」もまた、「DRAGON ATTACK」に勝るとも劣らないライブアルバムです。
1. GO 2. Voice Of America 3. Hard On Me 4. Wishing 5. Rock And Roll Dream 6. Countdown To Zero 7. Love Now Till Eternity 8. Too Late 9. Suspicion 10. After The War
GOは、まるでアニメソングのような、キラキラしたキーボードと、強力なギターリフが印象的な、力強い名曲。Voice of Americaは、ミディアムテンポのパワー・バラード風。ウェットンの哀愁のこもった美声と、美しいメロディはいかにもエイジア的です。Hard on Meはうってかわって、明るいメロディとダウンズのキーボードが前面に押し出された曲。Wishingは、どこか東洋風なイントロに続き、ウェットンの美しい伸びやかな声で歌われる、コンパクトながらも劇的なバラードの小曲。ウェットン・ダウンズの書くボーカル・メロディ、なぜこれほど美しいのでしょう。。Rock And Roll Dreamは、オーケストラをフィーチャーした、劇的な展開が印象に残る曲。Countdown To Zeroと Love Now Till Eternityはいずれもダウンズによる大袈裟な展開で彩られた曲ですが、大袈裟すぎてダサイ印象が強いです。ボーカル・メロディはせっかくイイのに。。。Too LateとSuspicionは、ある意味、ASTRAを象徴するような曲。ハードなギターとウェットンのボーカル・ダウンズのキーボードがほどよくマッチし、バランスのとれた美しいパワー・バラードになっています。After The Warは、アルバムの最後を飾る、劇的な展開で包まれた曲。特に後半のウェットンのボーカルがクラシカルギターとともに歌い上げる部分は感動的です。ウェットンは曲の前半はハードに歌おうとしていますが、この人、やはり声が優しい。。そのために、荒々しい曲調とややミスマッチな印象をうけます。ただ、それが曲全体に強い決意を秘めた哀愁をもたらしているようにも思えます。そして、ダウンズのアレンジがまた、やらかしてしまっています。せっかくの名曲が、アニメソング風になってしまう。イントロと間奏のキーボード、差し替えて欲しい。。。
1. Don't Cry/ドント・クライ 2. The Smile Has Left Your Eyes/嘘りの微笑み 3. Never In A Million Years/ネバー・イン・ア・ミリオン・イヤーズ 4. My Own Time/マイ・オウン・タイム 5. The Heat Goes On/ザ・ヒート・ゴーズ・オン 6. Eye To Eye/悲しみの瞳 7. The Last To Know/時の旅人 8. The True Colors/トゥルー・カラーズ 9. Midnight Sun/ミッドナイト・サン 10. Open Your Eyes/永遠の輝き
最後に、アルバムには収録されていませんが、シングルカットされた「ドント・クライ」のB面に納められている、「Daylight」という曲。これが、文句無しの名曲中の名曲なんです。パイプオルガンを思わせるダウンズのキーボードに始まり、ウェットンのこれでもかという感動的で劇的なボーカル、そして一見して目立たないけれど、実は曲をよく引き立たせているハウのロマンティックなギター、すべてがバランスよく組み合わされ、豪華にして劇的、明るく、ポジティブで感動的という、エイジアの全てが内包されたような名曲に仕上げられています。なぜこれを「ALPHA」に入れなかったのか、という人は多いのですが、たとえば、「ALPHA」収録の曲のどれかを「Daylight」に入れ替えて聴いてみると、その理由がわかります。この曲は、この曲だけで「エイジア」の全てを体現してしまっているのです。たとえば「ドント・クライ」と入れ替えると、「Daylight」を聴き終わった時点で、アルバム一枚を聴き終わったかのような満足感に達してしまう。「嘘りの微笑み」と入れ替えると、「ドント・クライ」で感じた感動がキレイさっぱり吹き飛んでしまう。「Daylight」一曲だけで、エイジアのアルバム、4分間×10曲を聞き通したのに匹敵するような満足感が得られるのです。エイジアの魅力が全て最高のクオリティで凝縮されているから。。そうとしか思えないのです。 この曲は、エイジアのベスト盤である「The Very Best Of Asia-Heat Of The Moment(1982-1990) 」や、「ANTHOLOGIA」に入っています。ベスト盤はこの曲を聞くためだけに買ったとしても、決して損した気分になりません。それほどの名曲だと思います。
U.K.の崩壊後、ウェットンはソロアルバム「CAUGHT IN THE CROSSFIRE」を出したりします。しかし、マネージメントの協力が得られないなど彼を取り巻く状況は良くありません。そこへ降ってわいたのが、ちょうどその頃に解散したYESのギタリスト、スティーブ・ハウとのコラボレーション話でした。その後、トレバー・ラビンやサイモン・フィリップスなどロック界の名手が入ってはヌケを繰り返しますが、最終的には2人にジェフリー・ダウンズ(キーボード)とカール・パーマーが加わり、「エイジア」が結成されます。1981年の春のことです。その後、半年に及ぶレコーディングが続き、1982年3月にデビューアルバム「ASIA」がリリースされます。
1. Heat Of The Moment/ヒート・オブ・ザ・モーメント 2. Only Time Will Tell/時へのロマン 3. Sole Survivor/孤独のサヴァイバー 4. One Step Closer/ワン・ステップ・クローサー 5. Time Again/タイム・アゲイン 6. Wildest Dreams/この夢の果てまで 7. Without You/ウィズアウト・ユー 8. Cutting It Fine/流れのままに 9. Here Comes The Feeling/ときめきの面影
このアルバムは名曲の宝庫です。「Heat Of The Moment」はこのアルバムのトップを飾り、ウェットンの声が魅力的な希望的なメロディ、伸びやかなハウのギター、華やかなダウンズのキーボードが印象的な、ポップなナンバー。「Only Time Will Tell」はダウンズの印象的なキーボードで始まる、ミディアムテンポのナンバー。他にも荒々しいパワーに溢れる「Time Again」や「Wildest Dreams」「Sole Survivor」など、現在でもウェットンのコンサートには欠かせない名曲が揃っています。特に目立つのは、ハウの表情豊かなギター・フレーズと、ダウンズの煌びやかで派手なキーボード。ウェットンは、ベースで主張するのは控えめにし、その分、ボーカルでその能力を最大限発揮しています。 その一方で、70年代プログレ的な、即興演奏風のフレーズも見え隠れしています。特にハウのギターまわりで。。現に、アルバム発表後のコンサートでは、ハウのソロがかなりの割合でフィーチャーされ、時にYESのコンサートかと錯覚することすらあります。
1. In The Dead Of Night/闇の住人 2. By The Light Of Day/光の住人 3. Presto Vivace And Reprise/闇と光 4. Thirty Years/若かりし頃 5. Alaska/アラスカ 6. Time To Kill/時空の中に 7. Nevermore/ソーホーの夜 8. Mental Medication/瞑想療法
1. Danger Money/デンジャー・マネー 2. Rendezvous 6:02/ランデブー6:02 3. The Only Thing She Needs/ジ・オンリー・シング・シー・ニーズ 4. Caesar's Palace Blues/シーザース・パレス・ブルース 5. Nothing To Lose/ナッシング・トゥ・ルーズ 6. Carrying No Cross/キャリング・ノー・クロス
1. RED/レッド 2. Fallen Angel/堕落天使 3. One More Red Nightmare/再び赤い悪魔 4. Providence/神の導き 5. Starless/暗黒
REDは、圧倒的な音圧と鬼気迫る重いリフが特徴的な、厳格に構成されたナンバーです。フリップの「Yes Metal, It is Metal, Isn't It?」(雑誌インタビューにて、確かこんな感じ)という言葉に代表されるように、その後のヘビーメタルの原点と言ってもイイ曲です。もっとも、これほどの完成度と重さを誇る曲、その後のメタルにはなかなかありませんが。「堕落天使」は、ウェットンの声と長調のメロディで一瞬救いが見えますが、たちまち陰惨な暗い世界に墜ちていきます。「再び赤い悪魔」は、REDに通じる部分もあるハードロック・ナンバーです。 アルバムは、「神の導き」から陰惨の度を深めます。このナンバーは、アルバム「Starless and Bible Black」リリース後のツアーで行われた即興演奏を録音し、わずかに手を加えたものです。ただ、Crimsonお得意の即興風演奏群と比べると、一つの曲として成り立つよう構成されており、やや異色な印象を受けます。これまでの即興風楽曲に見られるような散漫さは乏しく、パート同士の相互作用がもたらす緊張感ではなく、楽曲そのものが持つ緊張感に溢れています。そして最後の「暗黒」。しばしば、最も美しいイントロとも評される、フェードインするメロトロン、続いてギターで悲しげに歌われる主題、ウェットンの哀愁感に満ちたボーカル。単純なのに恐ろしいほどの緊張感に溢れるギター・ベースリフはしだいにテンションをあげていき、メルコリンズのソプラノ・サックスが加わりまさに暴風雨の如く荒れ狂った後、イアン・マクドナルドのアルトサックスが悲しげに示す主題、そして再び各パートが破壊的に暴れ回ったのち、絶望感に包まれた圧倒的音圧で再び現れる主題メロディで終焉を迎えます。そして、フェイドアウトしつつ消えていく音の中に現れる、ごく僅かに残された希望を示すような長調の残響。 この曲でのウェットンは、ボーカルとしての貢献以上に、凄まじいベース・プレイでその存在感を示しています。特に中盤~後半。。メロディ・リフのセンス、有無を言わせぬ圧倒的な迫力、彼のキャリアの中で、間違いなくベストなベース・プレイです。
ウェットンがKing Crimsonに加入してまもなく、Crimsonに破天荒きわまりない無秩序をもたらしていたジェイミー・ミューアが脱退しました。この脱退劇は、Crimsonの音楽性に少なからぬ影響を与えます。リーダーであるロバート・フリップの独裁体制はより強まったようで、「Larks~」に見られた、無秩序さと厳格な構築美のせめぎ合いは影を潜めていきます。 1974年に発表されたアルバム「STARLESS AND BIBLE BLACK」(邦題:暗黒の世界)は、フリップ主導による計算され尽くした曲構造の上で、ギター・ベース・ドラム・メロトロン・バイオリンが各パートの役割の範囲内で音楽センスを爆発させる。。。そんなスタイルへと変貌を遂げているように感じます。曲としての完成度はより上がっているけれど、各パートが別パートに闘いを挑む、ちょっかいを出すことで相乗効果を発揮する、というような部分が影を潜めています。ウェットンもまた、そんな雰囲気の影響をモロに受けたのか、相変わらずパワフルながらも、どこかお行儀のよいプレイに終始しています。
1.The Great Deceiver/偉大なる詐欺師 2.Lament/人々の嘆き 3.We'll Let You Know/隠し事 4.The Night Watch/夜を支配する人 5.Trio/トリオ 6.The Mincer/詭弁家 7.Starless And Bible Black/暗黒の世界 8.Fracture/突破口
このアルバム、他のアーティストのアルバムに比べ作り込まれていない印象を受けます。それもそのはず、この曲の大半は、1973年11月にアムステルダムで行われたライブ録音をほとんど手を加えずに使ったもので、それらにウェットンのボーカル曲3曲を追加レコーディングしたものです(アムステルダムのライブ自体も後に、ライブアルバム「THE NIGHT WATCH」としてリリースされています。「Starless and Bible Black」で手が加えられたのはどの部分かがわかり、興味深いです)。逆に、ライブでこれほどの演奏をこなせるKing Crimsonの凄さを思い知らされるアルバムとも言えるでしょう。
John Wettonがミュージックシーンにてその存在を知らしめたのは、やはり、King Crimsonへの加入が大きいです。それ以前にも、Mogul Thrashとか、Familyに在籍していますが、曲への貢献度や、存在感という点ではCrimson以降には及びません。。。また、Crimsonのオリジナルメンバーだったピート・シンフィールドやピーター・バンクスのソロ・アルバムにも参加していますが、お手伝い程度ということでスルー。 ということで、Crimson期からはじめようと思います。
Crimsonでの初アルバムは、「Larks' Tongue In Aspic」(邦題:太陽と戦慄)です。
1.Larks' Tongues In Aspic, Part One/太陽と戦慄パートⅠ 2.Book Of Satiuday/土曜日の本 3.Exiles/放浪者 4.Easy Money/イージー・マネー 5.The Talking Drum/トーキング・ドラム 6.Larks' Tongues In Aspic, Part Two/太陽と戦慄パートⅡ
そして、分けわからないけどとにかくドラマティックで重い曲。 「THE SIEGE AND INVESTITURE OF BARON VON FRANKENSTEIN'S CASTLE」
特に後半、コーラス、ギター、ベース、そしてドラムまでがフェードアウトしてコーラスだけになり、何が起こるんだろうと思ったところで再び全パートが弾けるアレンジ、劇的で、鳥肌ものです。
最近のコメント