音楽

2009年8月31日 (月)

Praying Mantis~1. 時代に翻弄されつづけてきたバンド

Praying Mantis という、バンドがいます。
イギリスを本拠地にするハードロックバンドです。
デビューは1970年代末、長期にわたる活動停止もありましたが、なんだかんだですでに30年にわたるキャリアを積んできた、ベテランバンドです。

その音楽スタイルは、美しいボーカルハーモニーと、激しくも流麗なツインリードギター・メロディが最大の特徴です。星の数ほどもあるであろうハードロックバンドの中でも、メロディの美しさは群を抜いています。
「ジーノ」や「ストライパー」のような、希望に満ちた美しい旋律ではない、どこか哀愁の漂う旋律は日本人好みなのでしょう。彼らのファンの大半は日本に集中しているようです。

しかし、彼らは、音楽以外のところでずっと、不運に翻弄されてきました。
すばらしい作品群を織り上げてきたにも関わらず。
どんな時も、変わらぬ音楽への情熱を持ち続けてきたにも関わらず。

明日からしばらく、この素晴らしくも不遇なバンドに焦点をあててみたいと思います。

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2009年5月 1日 (金)

カッチーニのアヴェ・マリア

芳賀さん関連以外では,すっごく久々の更新です.

最近,心が折れることが多く,音楽に救いを求め気味~.

iPOD Classic 120GBからは常に音楽が流れっぱなしです.

お気に入りは,アヴェ・マリア.

数十曲をエンドレスでまわしたりしてます.

結局は,グノー,シューベルト,カッチーニ...

いわゆる「3大アヴェ・マリア」に落ち着くのですが..

そんななか,ちょっと意外な事実を知りました.

3大アヴェ・マリアの中でも特に壮大な,カッチーニのアヴェ・マリア

実は偽作だということ.

ジュリオ・カッチーニは1545年頃に誕生,イタリア・ルネッサンスの最後の輝きの中で生き,1618年に亡くなっています.

そして,「カッチーニのアヴェ・マリア」..歌詞は「アヴェ・マリア」を繰り返し,ルネッサンス~バロック系の同時期の音楽とはどこか...というか,明らかに空気が違うなぁ..とは思っていたのですが,実は,ソ連の音楽家である,ウラディーミル・ヴァヴィロフによって,1970年頃に作曲されたものだそうです..

偽作だからと言って,曲自体の魅力がさがるわけではありませんが,すっきりしないものは残ります.なぜ著名な作曲家の名前を借りるのか..その方が曲をより聞いて貰えると思うからなのか..どうなんでしょ.

ちなみに,モーツァルトの交響曲37番とか,バッハのあの「トッカータとフーガ ニ短調」も,偽作かもしれないとのこと...「研究」が進めば真相が明らかになってくるのかも知れませんが,このままそっとしておいてくれた方がいい気もします..

カッチーニのアヴェ・マリア,名演は数ありますが,オススメはこの3つ

Andrea Bocelliによるアヴェ・マリア

Hayley Westenraによるアヴェ・マリア

イギリスの少年ボーカルグループ,Libera によるアヴェ・マリア
Steven君の澄んだ声には聞き入らずには居られません..

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2009年4月14日 (火)

「初音ミクによる平均律クラヴィーア曲集」 ついに完結!

ニコニコ動画で進行中だった偉業が,12日夜に,ついに達成されました.


「初音ミクによる平均律クラヴィーア曲集」
 第1巻 1~24番 プレリュードとフーガ合わせて48曲,
 第2巻
 1~24番 プレリュードとフーガ合わせて48曲,
しめて96曲....

まさに偉業です...
クラヴィーアPさん,お疲れさまでした.
Heikinritu

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2009年2月 1日 (日)

依頼に応えて、ウェットン三昧CD選曲~

カルトサウルスさんからの依頼に応えまして~

って、リアクションあるのは嬉しいので、さっそく作ってみました♪

ウェットンおじさんの関係した曲で10曲~
う~ん、候補が一杯すぎて難しい。

ってことで、全14曲でお許しを(笑)
一応、全体の雰囲気が壊れないように並べてみました~

A面
1 Daylight(from ANTHOLOGIA)
2 Only Time Will Tell (from ASIA)
3 Don't Cry (from ALPHA)
4 The Heat Goes On (from ALPHA)
5 Am I in Love (from Then and Now)
6 Heat of the Moment
7 Open Your Eyes (from ALPHA)

B面
1 Never Again (from Phoenix)
2 Heroine (from Phoenix)
3 Die is Cast(from Rubicon)
4 Rendezvous 6:02 (from Danger Money)
5 I Believe In You(from Rock of Faith)
6 In The End (from ICON)
7 When You Were Young(from Rock of Faith)

やっぱ無理です。Crimsonの曲、ASIAの曲と並べるとあまりにも違和感が。。。。
Crimson系で入れられなかったのは
○Larks' Tongues In Aspic, Part One (from Larks' Tongues In Aspic)
○Book Of Satiuday (from Larks' Tongues In Aspic)
○The Talking Drum~Larks' Tongues In Aspic, Part Two
   (from Larks' Tongues In Aspic)
○The Night Watch (from Starless and Bible Black)
○Fracture (from Starless and Bible Black)
○RED (from RED)
○Starless (from RED)

結局いっぱい。意味ないかも(汗

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2009年1月30日 (金)

Wettonの軌跡:2008年 オリジナルASIA、25年ぶりの新作「PHOENIX」:不死鳥の降臨!

ついに、リユニオン・エイジアのニュー・アルバムが登場します。それまでのコンサート・ツアーでは、当然ながら過去の名曲を、円熟した(落ち着いた)彼らがプレーする、有る意味同窓会的な雰囲気がありました。聴く方も、過去の名曲に再び向き合い、若き日の想い出に浸る。。。そんな聴き方をしていた人が多かったようです。そんな彼らの、本当の「現在」を問う新作。ファンは、期待と不安の双方を抱きつつ待ちつづけていました。さらにウェットンが心臓手術をしたという情報が舞い込み、各人はソロ・プロジェクトも並行して進めている。バンド自体がアルバム発表まで持ちこたえてくれるのか?ウェットンとハウがまたケンカ別れするのでは?という不安。。。
そして、2008年4月23日。オリジナル・メンバーによる25年ぶりのニューアルバム「PHOENIX」が、ついに発売されます。

Asia6

   1. Never Again
   2. Nothing's Forever
   3. Heroine
   4. SleepingGiant/No Way Back/reprise
   5. Alibis
   6. I Will Remember You
   7. Shadow of a Doubt
   8. Parallel Worlds/Vortex/Deya
   9. Wish I'd Known All Along
  10. Orchard of Mines
  11. Over and Over
  12. An Extraordinary Life
  13. I Will Remember You (acoustic remix)

ここには、今のエイジアが凝縮されています。ウェットン・ダウンズの最強ともいえるメロディ・メイカーが曲の大半を作った結果、曲調はウェットン・ダウンズの「アイコン」プロジェクト的な香りもしますが、スティーブ・ハウとカール・パーマーが加わったことで、美しいメロディ・ライン、壮大で劇的な展開、豪華で奥行きのあるアレンジといった、エイジアにしかできない音楽がびっしりと構築されています。
そして、これまでのエイジアのアルバムには無かった、「どこか暖かみのある曲調」。80年代エイジアのような、曲を生かすことを優先しようとしながらも、スキあらば前に出よう・自己主張しようというような、ギラギラしたエネルギーが完全に影を潜めています。ウェットン・ハウ・ダウンズ・パーマーが、それぞれ数十年におよぶキャリアによって得た経験と円熟味をもって、カンペキなアンサンブルを作り上げています。
全てのメロディが、深く深く心の奥まで染み通るような。確かに落ち着いているかもしれません。若い頃のような緊張感に欠けるかもしれません。しかし、ここには、長い音楽人生の末にようやくそれぞれが「自分の音楽」にたどり着いた彼らが手を取り合って作り上げた、大人のロックがあります。
年とったとか、侘び寂びとか、枯山水(笑)。。ではなく、深い円熟。そして、ようやくたどり着いた自分たちの音楽を演奏できる喜びと幸福。そんなものが感じられる、とても暖かみのあるアルバムに仕上がっています。

冒頭の「Never Again」。いきなりハードながら深みのあるギター・リフから、GoやOpen Your Eyesを思わせるようなダウンズの華のあるキーボードに支えられた、ウェットンの美声、そして、これぞエイジア!!と言いたくなるような、厚みのある美しいコーラスで歌われる「Never Again」というサビ。そして、「アイコン」と決定的に違う、世界中でスティーブ・ハウにしか出来ない、どこかスパニッシュな雰囲気の漂う美しいギター。

 僕らはこれを25年間待っていたんだ!もう絶対に聞けないだろうと思いながら、心の奥底では諦めずに待ち続けていたんだ! 

 とファンなら叫びたくなるような、

やっと思いに答えてくれたんだ!

と思わず涙ぐみたくなるような、美しく・暖かく・深みのあるメロディの洪水。

Never Again(もう決して繰り返さない)のリフレインに、若き日の過ちはもう繰り返さないという決意を感じて、嬉しくもなってしまいます。

2曲目の「Nothing's Forever」は、ファースト・アルバム「ASIA」後のツアーを思い出させるようなファンファーレから始まる、哀愁に満ちた落ち着いた曲。

3曲目の「Heroine」は、エイジアのアルバム「ALPHA」収録の「The smile has left your eyes」や、ウェットンのソロ作「ARKANGEL」収録の「AFTER ALL」を思わせるような、壮大で美しいバラードです。しかし、「Heroine」は暖かみと深みにおいて、過去のバラードを大きく凌いでいます。珠玉のメロディ・メイカーであるウェットン・ダウンズの本領が最大限発揮された、名バラードです。これほどのバラードを作り表現できるバンド、他にあるでしょうか??

4曲目の「SleepingGiant/No Way Back/reprise」は、なんと8分11秒にもおよぶ大曲です。エイジアがこれまで敢えて近づこうとしなかった、プログレッシブ・ロックの香りが漂います。YES、U.K.、ELP(クリムゾンの香りはあまりしませんが。。)。。それでも、聞き手を無視するかのようなインストルメンタル・バトルにならず、哀愁と深みのあるボーカル・メロディを中心に、最初に提示した主題を展開させきっちりと曲を構成するあたり、エイジアの心意気を感じます。

5曲目の「Alibis」は、明るいポップなナンバー。ダウンズの80年代エイジアやバグルス時代を彷彿とさせるポップなキーボードと、ハウの伸びやかな高音が印象的なギターが華を添えます。そして後半の転調もまた、エイジアらしい味付けです。

6曲目の「I Will Remember You」は、ウェットンの美声が最高に映える珠玉のバラード。ハウのギターとダウンズのキーボードによるサポートも素晴らしい。「Heroine」とはまた違うタイプで、どこか神聖さも漂う癒しに満ちたバラードになっています。こんな曲を作ってくれるなんて、エイジアがリユニオンしてくれて本当によかった。そう思える名曲です。

7曲目の「Shadow of a Doubt」は、明るく希望に満ちた曲調から、どこか「Don't Cry」を思わせます。ダウンズのキーボードが派手ですが、ダサくなる一歩手前で踏みとどまっています(笑)。

8曲目は「Parallel Worlds/Vortex/Deya」。8分12秒に及ぶ大作。ウェットンの哀愁漂うボーカルとハウのスパニッシュ・ギターがリードする前半(2:45頃まで)と、ハウが自在に弾きまくるのエレクトリック・ギターとクラシックギターに圧倒される中~後半の2部構成。中盤はダウンズの「ASTRA」時代を彷彿とさせるロマンティックなキーボードが華を添えます。ダウンズの加わるあたりは、「Misplaced~」時代のMarillionを思わせるような緊張感がありますが、フレーズはやはりエイジア。そして、ハウのギターの巧さは絶品です。その昔、「ギターが巧すぎて、曲にどう取り入れればいいかわからない」と形容されたハウのテクニック、健在です。

9曲目の「Wish I'd Known All Along」は、ウェットンのボーカルを軸に、ハウとダウンズによるスリリングな曲展開が印象的な曲。ボーカル・メロディも良い、佳曲です。

10曲目は「Orchard of Mines」。哀愁漂うバラードです。壮大になりすぎず、落ち着いた曲調を保っているのですが、それがウェットンの声に絶妙にフィットしています。前曲同様、ウェットンのボーカル・メロディが光ります。

11曲目「Over and Over」。希望に満ちたボーカル・ギター・キーボードメロディが横溢する美しいバラード調の曲。エイジアらしい、コンパクトな曲に「明るい!」ドラマティックな展開を込めた名曲。メロディの美しさは、エイジアの数々の曲の中でも指折りでしょう。

12曲目の「An Extraordinary Life」は、ボーナス・トラックを除けば、アルバムの最後を飾る曲。希望に満ちた明るいイントロに始まり、ウェットンの感情を抑え気味にしたボーカルに続き、サビで希望的なコーラスが爆発します。文句なしの名曲。ハウとダウンズの華麗なフレーズが華を添えています。ハウの伸びやかなギターが大変心地よいです。

そして、ボーナストラック。これまでボートラを黙殺してきた私ですが、このアルバムのボートラは一聴の価値ありです。

わずか1年そこらの、私のエイジア歴。結果的に全て後追いとなってしまった幾多のアルバムと違い、私が唯一リアルタイムで登場の瞬間に立ち会えたのが、この「PHOENIX」です。それだけに、思い入れの深さは他のアルバムとは段違い。
どうかこのまま、リユニオンが続いていってくれれば。。。。。
みんな、60歳を超えたいい大人(爺さん?)なのだから、昔みたいに子供じみたケンカせず、お互いのイイとこ認め合って、仲良くやっていって欲しいものです(願)。

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2009年1月29日 (木)

Wettonの軌跡:2006年 ICON-2:リユニオン・エイジアへ向けて。。。

再び手を組んだウェットンとダウンズは、より困難なプロジェクトに着手します。オリジナル・エイジアの再結成。ただ、そのためには、当時のエイジア、ジョン・ペインとダウンズが中心となり、ペインがバンドの名義を有していたエイジアにけりを付けなければなりませんでした。どのような交渉が成されたのかはわかりませんが、2006年の4月にはダウンズ・ペインのコラボが解消されます。ペインはその後もエイジアにしばらく固執したような情報も流れていましたが、諦めたのか他のメンバーとGPSを結成。ウェットン・ダウンズにスティーブ・ハウ、カール・パーマーが合流し、正式にリユニオン・エイジアが立ち上がります。
彼らは2006年からイギリス・アメリカでライブツアーを行い、各地で熱狂的に迎えられます。かつて激しく対立したウェットン・ハウも仲良く?演奏していたようですが、歳月が二人の性格を丸くさせたのか?それとも達観の域に至ったのか?

そして、ICONプロジェクトは、2006年10月にセカンドアルバム「RUBICON」をリリースします。これが、前作ICONを上回る名作。ウェットン・ダウンズのコンビネーションはより充実し、作詞作曲・アレンジ・プロデュースとも、前作にくらべ遙かに高い次元に達しています。

Icon2

1. Die Is Cast
2. Finger on the Trigger
3. Reflections (Of My Life)
4. To Catch a Thief
5. Tears of Joy
6. Shannon
7. Hanging Tree
8. Glory of Winning
9. Whirlpool
10. Rubicon
ボーナストラック(ザ・ハーバー・ウォール)がついていますが、例によってスルー(笑)。

Rubiconとは、ルビコン川に由来します。古代ローマでは、軍団がローマに近づく際、ルビコン川を武装したまま渡ることは、共和国法により禁じられていました。すなわち、武装したままルビコン川を渡ることは、ローマ共和国への反乱と見なされたのです。紀元前49年、ガリア戦争に出ていたジュリアス・シーザーは、ローマ本国へ召還されます。本国で起こった政変が原因だったのですが、シーザーはローマにいる対立勢力との対決を決断、ルビコン川を武装したまま渡り、ローマへ攻め込みます。有名な「犀は投げられた(The Die is Cast)」は、シーザーがルビコン川を渡るときに言った台詞です。

ちなみに、この時の台詞の全文は、Wikipediaによれば、
「ここを渡れば人間世界の悲惨、渡らなければわが破滅。(兵士たちに振り返って)進もう! 神々の待つところへ! 我々を侮辱した敵の待つところへ! 賽は投げられた!)」

「ルビコン川を渡る」は、後戻りの出来ない重大な決断をし、その決断を行動に移すことを指すようになります。あえてRubiconをアルバムタイトルに選んだウェットン・ダウンズの決断、後戻りはもうできないという決意が伺えます。。

アルバム自体は、前作にくらべさらにダウンズの関与が強まり、よりエイジアの香りが強まっています。オープニングを飾るDie Is Castは、まさに「犀は投げられた」という曲。エイジアのエッセンスを凝縮させたような劇的な曲展開、印象的なメロディを持つ、強力なキラー・チューンです。Finger on the Triggerはダウンズのセンスが全開の明るいロック・ナンバー。Reflections (Of My Life)は、人生の回顧がテーマの、しっとりとした曲。To Catch a Thiefは、オランダのロックバンド、GATHERINGのアネック・ファン・ガースバーゲンとウェットンのデュエット曲。劇的で壮大なバラードです。ふと、谷村新司と小川知子のデュエットソング「忘れていいの」を一瞬思い出しますが、エイジア・テイストが横溢するTo Catch a Thiefは壮大さと美しさで遙かに上回っています。Tears of Joyは落ち着いたミディアムテンポの曲。Shannonは、バイオリンとウェットンの声の軽快なコラボが印象的。Hanging Treeは少々暗めな、なにか見えない恐怖のようなものを暗示している?不思議な曲。Glory of Winningは、これまたエイジア・テイストに溢れる壮大な曲。Whirlpoolもまた、エイジア風のイントロで始まり、ダウンズのセンスが前面に出た劇的なアレンジが施された曲。Rubiconはこのアルバムの〆らしく、壮大で劇的、静と動の対比が印象的な曲。

ICONはこのアルバムをひっさげ来日ツアーを決行。リハーサル不足の声もありましたが、おおむね好意的に迎えられることとなりました。そして、ファンが待ちに待ったリユニオン・エイジアのニューアルバムが、リリースされることになります。

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Wettonの軌跡:2004~2005年 ICON-1:ウェットン・ダウンズのユニット始動!

名作中の名作、「Rock of Faith」と、その後の転落。しかし、Rock of Faithは、ジェフリー・ダウンズとウェットンとの絆を再び確固たるものとするきっかけになりました。エイジア時代に数々の名曲を生み出した、ウェットン・ダウンズのユニットが再び始動します。そうして2005年にリリースされたのが、ウェットン・ダウンズのプロジェクト「ICON」のファースト・アルバムである、「ICON」です。

Icon1

1. Overture: Paradoxx ~ Let Me Go
2. God Walk With Us
3. I Stand Alone
4. Meet Me At Midnight
5. Hey Josephine
6. Far Away
7. Please Change You Mind
8. Sleep Angel
9. Spread Your Wings
10. In The End
ボーナストラックとして。。。
11. Heat Of The Moment (2005)

このアルバム、Rock of Faithにダウンズの関与がより強まり、エイジアのテイストが増した、とでも表現すればよいでしょうか??
Overture: Paradoxx ~ Let Me Goは、暗く思いイントロに始まり、ウェットンの悲壮感漂うボーカルとダウンズの分厚いキーボード・アレンジが印象的な劇的な曲、God Walk With Usはフルート(イアン・マクドナルド)のイントロに始まり、やはり劇的な曲展開に圧倒されます。I Stand Aloneは、パイプ・オルガン風のイントロに始まり、ミドルテンポでウェットンの心の葛藤が歌われている?重い曲。Meet Me At Midnightはウェットンのボーカルとアコースティックギターを中心にした、美しいボーカル曲。Hey Josephineは、Meet Me At Midnightのようなアコギのイントロに始まる~と思ったら、突然パワー・バラードへ。エイジアの曲と言っても全く違和感ない、大袈裟なアレンジと美しいメロディの明るい曲(笑)、Far AwayとPlease Change You Mind、Sleep Angelはいずれもミディアムテンポの落ち着いた曲。人によっては眠くなるかも。。ややだれた印象を受けます。Spread Your Wingsはウェットンのボーカルの美しさと伸びやかなギター・チェロで癒やされます。そして、最後を飾るIn The Endは、ルネッサンスに居たアニー・ハスラムとウェットンのデュエット曲。落ち着いた癒しに満ちたウェットンの声に続き、ハスラムの感動的なボーカル。イアン・マクドナルドのフルートが花を添えます。落ち着いた、美しいバラードです。
ボートラのHeat Of The Moment (2005)は、一瞬どこをリメイクしたのかわからないです(笑)。ウェットン・ダウンズのリユニオンを祝うご祝儀ソングという感じでしょうか???

ウェットン・ダウンズの再会は、思わぬ方向へと事態を進展させていきます。そう。もう2度と無いかと思われていた、オリジナル・エイジアの再集結へ。。。。

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Wettonの軌跡:2003年 ソロ活動期-3:劇的な復活、そしてどん底へ。。

2002年の秋から、ウェットンは新作アルバムのレコーディングに入ります。参加メンバーは、すっかりウェットンの盟友となった、スティーブ・クリスティやジョン・ミッチェルら。そして、エイジアからジェフリー・ダウンズが作曲とキーボードで、またマーティン・オーフォードやティム・ガーランドらが参加します。

そして、2003年1月にリリースされたのが、「Rock Of Faith」です。
Rockoffaith

1. Mondrago
2. Rock Of Faith
3. A New Day
4. I've Come To Take You Home
5. Who Will Light A Chandle?
6. Nothing's Gonna Stand In Our Way
7. Altro Mondo
8. I Believe In You
9. Take Me To The Waterline
10. I Lay Down
11. When You Were Young

そしてボーナストラックとして。。。
12. Cold Comfort
13. God Only Knows (live)

1990年代後半のボロボロのウェットンの状況から、ファンは期待と不安の間を揺れながら新作を心待ちにしていましたが、結果はいい方に裏切られました。完成した「Rock of Faith」は、ウェットンの30年以上に達するキャリアの中でも屈指の、素晴らしいアルバムになったのです。なによりも、彼の最大の魅力である声がほぼ完全に復活。

このアルバムには、これまでの彼の他のアルバムにない、独特の空気が流れています。まるで、教会で賛美歌を聴いているような感覚。それもグレゴリオ聖歌やバッハのカンタータのようないかにも宗教然としたものではなく、聖歌隊が静かに、しかし力強く、心の中の慟哭や感動、憬れを歌い上げるのを、明るいステンドグラスの光のもと、静かに聞いている、そんな雰囲気なのです。聞いていると、心の中に沈殿した怒りや悲しみ、疲れやイライラといったものが自然に洗い流されてしまう、そんな感覚にとらわれます。

シンセの音をバックに、ギターが悲しげかつ壮大な旋律を歌い上げるMondrago、どこか幻想的なウェットンの歌声に圧倒されるRock Of Faith、ウェットンの声の復活、特に色気に満ちたよく響く甘い中~高音域が実感できるA New Day、ジェフリー・ダウンズとの共作で、ピアノとチェロ、そしてウェットンのボーカルが感動的なバラードであるI've Come To Take You Home、どこかARKANGELを思わせながらも、切々と歌い上げる哀愁に満ちたウェットンの声に圧倒されるWho Will Light A Chandle?、Voice Mailの頃のウェットンを思わせるパワー・ナンバーであるNothing's Gonna Stand In Our Way。
そして、CDでありながら、このアルバムは、A面・B面に分かれているような感じを受けます。B面の最初を飾るのは、静かな雪の夜に古い教会の鐘が鳴り響いているような、神聖な錯覚にとらわれるAltro Mondo、Altro Mondoを受けて静かに始まりながらも、途中からギター・サックスの激しい応酬へと移り、フルート・オーケストラ風のアレンジとウェットンの美声が感動的なバラードと、静と動のコントラストが劇的なI Believe In You、明るく愛を歌い上げるTake Me To The Waterline、そして、ウェットンがエイジア時代に共に仕事をしたマイク・ストーンへの鎮魂歌だというI Lay Down。悲しみをヒステリックに歌い上げるレクイエムでも、ひたすら悲しみを歌い上げ悲嘆にくれるというのでもなく、今は亡き人の思い出を静かに目をつぶり、心静かに振り返っている、という感覚。そして、B面の最後は、I Believe In Youを受けて、ウェットンとコーラスが静かにアカペラで歌い上げる、まさに賛美歌のような美しさと神聖さに満ちたWhen You Were Young。
ボーナストラックが2曲ありますが、スルーでいいでしょう。アルバム全体に流れるコンセプト・統一感が崩れてしまいます。

ウェットンの最高傑作の一つとして間違いなく数えられるであろう名作をリリースした後、ウェットンは再びコンサートツアーに出、来日公演も行います。しかし、ここでまたウェットンは酒浸りの生活へと身をやつすこととなります。来日公演は惨々たる出来だったそうで、その後のライブでも悲惨な出来をさらすことになります。そしてついにウェットンは、ファンの非難の声を前に、半年間の休養を宣言することとなります。

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2009年1月28日 (水)

Wettonの軌跡:1990年代後半~2002年 ソロ活動期-2:酒と酒と酒と不摂生。。。

ウェットンは、「Voice mail」リリース後、精力的に各国を回りライブ活動を続けます。この時期のライブは、いくつかのブートの他、正規版「Akustika Live In Amerika」でその様子を知ることができます。「Akustika Live In Amerika」は、ウェットンには珍しいアコースティック・ライブですが、うるさく鳴るギターや他の楽器の音にジャマされず
ウェットンの美声を楽しめる、隠れた名盤です。入手困難ですが、見かけたらぜひゲットしましょう。

また、ジェネシスのオリジナルメンバーであるギタリスト、スティーブ・ハケットとの活動も、この時期に展開されます。音源として残っている「Genesis Revisited / 新約創世記」(1996年リリース)、「The Tokyo Tapes / 東京テープ」(1997年リリース)では、ジェネシスの名曲だけでなく、自分の過去の曲、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」などの名曲を歌いあげるウェットンの美声に触れることができます。ただ、東京でのライブ映像に見える、太り始めたウェットンの姿。。一抹の不安がよぎります。。

ウェットンは次のソロアルバムの制作を始めます。メンバーはジョン・ヤングやビリー・リースギャング、サイモン・フィリップス、ロバート・フリップらと豪華です。そして、1997年4月にリリースされたのが「ARKANGEL」。前作と比べやや暗い雰囲気の曲が増えていますが、それもまたウェットンの声にはよく似合います。やはりこの人の声は唯一無二。天下一品の美声です。

Solo3_2

1. The Circle of St.Giles
2. The Last Thing On My Mind
3. Desperate Times
4. I Can't Lie Anymore
5. Arkangel
6. You Against The World
7. Be Careful What You Wish For
8. Emma
9. Nothing Happens For Nothing
10. All Grown Up
11. After All
12. The Celtic Cross
13. Take These Tears

穏やかに語りかけてくるようなラブソング「Emma」や「After All」、壮大で重い「Arkangel」、美しいリフレインが印象的な「I Can't Lie Anymore」など、名曲揃いではあります。

しかし、悪夢はこの頃からウェットンに忍び寄ります。私生活でのトラブルや、(それ故の?)酒浸りな生活が、ウェットンの体調、そして最大の武器であるはずの「声」に悪影響を及ぼし始めるのです。
ライブであからさまに声が出ない、歌詞を忘れる、ライブ前夜の深酒で体調ボロボロ。。。そして、経済的な困難のためか、次から次へと乱発される粗悪なライブアルバム達。私もこの時期のライブアルバムは全部所有していますが、敢えて紹介しません。私にエイジアを教えてくれた人は、この時期は、「浄財」「お賽銭」「ウェットンの生活費寄付」のつもりでアルバムを買っていたそうです。。。1990年代後半のライブアルバム群の中で、辛うじてイイと思えるのは、「NOMANSLAND」くらいです。。。
1999年になると、エイジアの再結集(不調に終わる)、カール・パーマーとのユニット「Qango」などの動きがありますが、正直パッとしません。QANGOのライブ・アルバム「LIVE IN THE HOOD」も、コレクター向き。万人に勧める気にはちょっとなれません。。

そんな中、2000年12月にリリースされたソロアルバムが「WELCOME TO HEAVEN」です。

Solo4_2

1. Heart of Darkness
2. Say it Ain't So
3. No Ordinary Miracle
4. Where Do We Go from Here
5. E-Scape
6. Another Twist of the Knife
7. Silently
8. Before Your Eyes
9. Second Best
10. Real World
11. Love Is
12. Space and Time(Live)

ロバート・フリップの他に、イアン・マクドナルドもゲスト参加、さらに元ビートルズのリンゴ・スターまでが共同作曲者として加わるなど、相変わらず豪華なメンバーが参加しています。曲調は、Heart of Darknessが暗めの壮大な曲調なのを除けば、どこか明るく、かといって明るくなりきることもできない、でもやはりさすがウェットン。良質のポップアルバムに仕上がっています。声も、全盛期ほどとは言えませんが、だいぶ回復しているようです。

このまま頑張ってくれれば。。。という思いは、またしても裏切られることになります。ウェットンはまた酒浸りの生活に突入。アルバムリリース後に行われたツアーでは、ウェットンはまたボロボロのライブを繰り返し披露することになります。

この時期、ユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーとのライブ活動もあったりしますが、なによりも重要なのが、2002年始めから、ジェフリー・ダウンズとの活動が復活し始めたこと。2001年に発表された未発表曲集「JOHN WETTON / GEOFFREY DOWNES」とは無関係のようですが。。。

ちなみに「JOHN WETTON / GEOFFREY DOWNES」は、1980年代のASIAの活動の中で書きためられた未発表曲&アウトテイク集です。KARI-ANNEやSUMMERの歌詞違い、アレンジ違いなどが楽しめますが、マニア向け。その後のICONのアルバムのようなものを期待するとしくじります。。。

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Wettonの軌跡:1990年代~ソロ活動期-1:ウェットンのやりたかった音楽!

再結成ASIAは、1990年の日本ツアー後、モスクワ、ドイツ、ブラジルでライブを行いますが、アルバムは売れず、ライブツアーも日本以外ではイマイチ客入りが悪く、1991年にはウェットン、パットが脱退。ダウンズはジョン・ペインと組んで、新たなエイジアとして活動をはじめます。この新生エイジアは、私にとって似て非なるものですらないので、ここではスルー。
エイジアを抜けたウェットンは、マーティン・オーフォード、サイモン・フィリップスらとソロアルバム用の曲作りを始めます。そして、紆余曲折の末、1994年6月に日本でのみリリースされたのが、「Voice Mail」です。

Voicemail

1. Right Where I Wanted To Be
2. Battle Lines
3. Jane
4. Crime Of Passion
5. Sand In My Hand
6. Sea Of Mercy
7. Hold Me Now
8. Space And Time
9. Walking On Air
10. You're Not The Only One

いかにもウェットンらしい、極上のポップな曲達が、このアルバムには溢れています。
捨て曲など一曲もない、素晴らしいアルバムです。

Right Where I Wanted To Beは伸びやかで希望溢れる明るいメロディとウェットンの声の相性が絶妙、Battle Linesはウェットンのライブでほぼ必ず演奏される、劇的なバラード。Janeはアメリカ的な明るいラブソング。他にも、Crime Of Passion、Sea Of Mercy、Hold Me Now、Space And Timeと素晴らしいボーカルメロディに魅了される曲が続きます。Walking On Airではロバート・フリップのギターとウェットンの声が織りなす壮大な展開が心を鷲づかみにします。そして、最後のYou're Not The Only Oneは、これまたウェットンのライブでは欠かせない、明るく、高らかに愛を歌い上げる、ウェットンの魅力の全てが凝縮されたような素晴らしい曲です。そして、これがまさにウェットンの本当にやりたかった音楽。
音楽評論家の市川哲史氏が、「永遠の(夢見る)ポップおじさん」と彼のことを評していますが、まさにその通り、と私も思います。
彼に作らせるなら、ゴリゴリのプログレッシブ・ロックではなく、美しいボーカルメロディで攻める極上のポップアルバム!それを証明したような作品です。

このアルバムは、その後「Battle Lines」と名前を変え、日本や世界各国でリリースされます。「Voice Mail(Battle Lines)」は、ウェットンのソロ作の中では、Rock of Faithとならぶ、名作中の名作でしょう。邦楽・洋楽問わず、私の中では10指に入る素晴らしい作品。ウェットンを知りたければ、まずこれを聴け!と、声を大にして言いたいです。

このアルバム発表後、ウェットンは来日コンサートを決行します。ロック界の巧者集団であるIt Bitesのメンバーや、セッション・ギタリストのアンディ・スケルトンを引き連れ行ったコンサートは、1995年に「チェイシング・ザ・ドラゴン~ ジョン・ウェットン・ライヴ」としてリリースされます。音質(おそらくスタジオ作業の質がイマイチだったか。。)があまりよろしくないですが、ウェットンの過去の名曲、Voice Mailからの曲、いずれも良い演奏で楽しめる、なかなかの良盤です。

Solo2

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