湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会
雪が積もると、なんとなくテンションが上がります。
それに寒さが加わると、なおさらです。
ふんわりと粉雪が積もって、しかも気温マイナス20度なんてことに
なったら、子犬のようにそこら中雪だらけになって駆け回りたく
なります![]()
雪好き寒さ好きが高じて、昔、無謀な挑戦をしたことがあります。
ずぶの初心者が、いきなりスキーマラソン大会出場!
しかも、コース距離85km!....なに考えてんだろ(笑)
きっかけは、家でぼーっと見ていた国営放送ニュースでした。
ニュースで流れていたのは、すっかり日も落ちて暗くなった中、
コースの両脇で燃えさかるかがり火(たいまつ)に照らされて、
クロスカントリースキーで走り抜ける人たちの映像でした。
しかも、北海道の中心にある大雪山からオホーツク海まで
85kmを自分のスキーだけで駆け抜けるという。。。。
その大会の名は、
「湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会」と
いいます。
。。。。次の日、市内の山道具屋で、競技用のクロカンスキー一式
買い込んでいました。クロカンスキーは生まれて初めて。
ただ、足一本で北海道の屋根から海まで走りぬけることに
無性にロマンを感じ、松明の火の中をゴールするのを夢見て。
その日のうちに、スキー大会に参加エントリー。
距離はもちろん85km。
次の日、市内のクロカンコースに行き、周囲の人たちの滑りを
見よう見まねで覚えて、5kmのコースを走ってみました。
ヤバイ。5kmですら満足に走れない。。
ペースは上がらず、坂で転び、2時間近くもかけてなんとか
ゴールすることができましたが、あまりにも前途多難。
ひたすら呆然としましたが、大会を諦めようとは思いませんでした。
その後、結局、練習2回、一番滑った日でも全長10kmという
あまりに準備不足な状態で、大会当日を迎えました。
スキーに塗るワックスについてほとんど予備知識がなく、
当日はスタート地点の朝の気温マイナス20度、昼の最高気温
マイナス10度というような極寒の条件に、0度用のワックスを
塗るという大失態。
スタート後は、全く滑らないスキーに悪戦苦闘しつつ、
ひたすら85km先のゴールを目指します。
少年達に抜かれ、自衛隊の皆さんに抜かれ、
お爺さんたちにも抜かされという、めげそうな状況を
救ってくれたのは、沿道で地元の人たちがしてくれている
炊き出し?でした。
おにぎり・豚汁、美味しゅうございました。
蕎麦、美味しゅうございました。
ホットドック、美味しゅうございました。
焼き鳥、焦げておりました。。。いやいや冗談(笑)
疲労でボロボロになりながらも、ゴールにかなり近い湧別という街に
たどり着いた頃には、もう夕方になっていました。。
ランナーズ・ハイの状態になっていたこともあり、
ペースアップを図ろうと気合いを入れ直したところで
私は思わず足を止めてしまいました。
すっかり傾いた陽は、真っ白な雪原を眩い金色に照らし、
あたりは一面に宝石を蒔いたようにキラキラと輝いていたのです。
そして、自分の影だけが、雪原のはるか彼方まで細く伸びています。
陽が沈むにつれ、雪原は赤く染まり、
やがて紫色へと移ろっていきます。
もちろん空も。
あまりに美しい景色に、ゴールまでまだ距離があるのも忘れ、
しばし見とれてしまいました。
気がつけばすっかり陽も落ち、コースの両脇にはかがり火が
ともりはじめました。薪(まき)の燃えるパチパチという音の中
普通に歩いたほうが早いんじゃないか、というようにノロノロと
スキーを進め、ゴールを目指します。
そして、赤々と灯るたくさんのかがり火に迎えられ、
ようやくのゴール。
早朝に大雪山をスタートしてから、9時間以上が過ぎていました。
体はこれ以上動けないほど疲れ切っていましたが、不思議な
充実感に包まれたことを覚えています。
あれからもう10年余りが過ぎました。
コースが災害に見舞われたため、この大会はコース距離が
最大50kmと短くなってしまったと聞いています。
自分自身も、初参加以降はスケジュールが合わず、
その後は大会参加できずにいます。
でも、いずれまた、同じコースを冬の晴れた日に
駆け抜けてみたいと、願っています。
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